開業医・メンタードクター インタビュー

開業医インタビュー:私が歩んできた歯科医師としてのキャリア──ALBA歯科 理事長より

医療法人社団ALBA

理事長 熊木淳雄 先生

ー若手歯科医師に贈る、開業までの道のりー

今回は、若手歯科医師や歯学生に向けて、ALBA歯科グループ代表の熊木淳雄先生のキャリアストーリーをご紹介します。
理想のキャリアを築くために、どのような悩みや出会いがあり、何を大切にしてきたのか。リアルな体験談から、あなた自身の未来を考えるヒントを見つけてください。

どこかに、あなた自身の未来を重ねられるヒントがあるかもしれません。

学生時代、明確なビジョンを胸に決意

熊木先生)私は大学3年生、20歳のときには「20代で開業する」ことを決めていました。当時、後輩である当時18歳の中川先生と一緒にその目標を掲げました。彼の人間性に強く惹かれ、一緒に日本一の歯科医院をつくりたいと思ったのです。

「20代で開業する」という目標を立てる上で影響を受けたのは、ソフトバンクグループ会長の孫正義さんの「20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を貯め、40代で勝負、50代で完成、60代で継承」という人生戦略です。この言葉が、ビジョンを実現する上でスピードにこだわる理由です。

ただし、学生時代の私は正直、勉強はほとんどしていませんでした。成績はギリギリ。一方、アメリカンフットボール部に全力で打ち込み、毎朝筋トレを欠かさず、自分を追い込む日々を送っていました。日々の練習はもちろんですが、当時部活のキャプテンとして組織を率いた経験は、今振り返ると医院経営にも通じる「リーダーシップ」や「組織の勝たせ方」を学ぶ大きな財産だと思います。

特に、現在の「ALBA歯科」の名前も、当時のチーム名「アルバトロス」から名付けたほど、私にとってその経験は深く根づいています。

学生-勤務医時代:不器用だからこその焦り

熊木先生)先ほどのお話の通り、私は決して器用なタイプではありませんでした。学生時代の実習や歯牙彫では毎回最下位。その不器用さが卒業後も抜けず、はじめは焦りばかりが募っていました。

このままではまずい。。

ただ、「20代で開業する」「日本一の歯科医院をつくる」というビジョンがあったからこそ、私は自分に課題を課し、目標に向けて角度の高い坂道を登る決意をしました。

そのため、当時勤務先は診療時間が夜遅くまである敢えて医院を選び、年間360日働くなど、経験数を圧倒的に積むことを徹底しました。合計で10件の医院に勤務し、それぞれ異なる学びを目的に選びました。開業ノウハウを学べる医院、分院展開を知れる法人、保険・矯正・インプラントなど各分野の臨床力を得られる場──それらの「いいとこ取り」をし、自分なりに咀嚼し、整理しました。全ては、自分が開業したとき、その学び全てを実践できる日本一の歯科医院を作るためです。

そして2011年にALBA歯科の第一号医院が誕生したのです。

開業直後、待っていた現実

28歳でALBA歯科を開業。しかし、スタートは決して順風満帆ではありませんでした。

スタッフ4名で始めたものの、わずか2週間で1名が脱落。患者様もなかなか来ない。私は駅前に立ってチラシを配り、メガホンで呼びかけ、泥臭い営業に徹しました。

キャンセルされた患者様には自ら電話し、深夜2時でも3時でも診療できますと伝えました。スタッフを帰したあと、自分ひとりで診療したこともあります。

初期費用も乏しく、8,000万円の借金からのスタート。それでも「高みを目指す」と決めていたからこそ、やりきる覚悟が持てました。開業から6年で4医院を展開し、8,000万円の借金も完済しました。

人生最大の悲しみが、私をさらに強くした

4医院目の開業後、私の人生に大きな出来事が訪れました。6人の子どものうち、4番目の娘が、前日まで元気だったにもかかわらず、翌朝、突然亡くなったのです。当時、彼女は1歳でした。

私は神を恨み、すべてを投げ出したくなりました。なぜ自分ばかりこんな不幸なことが起こるのか、何がいけなかったのか。。自暴自棄にもなりかけました。

しかしそんなとき、最も大切な私の妻や仲間であるドクターたちが、涙を流しながら私に励ましの声をかけてくれました。「あっちゃん、また一緒に頑張ろう」その瞬間、「大切な家族や仲間を幸せにしなければ、私は死にきれない」と、心の底から思いました。

そこから私は、さらにギアを上げて走り始めました。医院数、スタッフ数、患者数も加速的に増えましたが、そこに至るまでには数えきれないほどの問題もありました。

キャリアの本質──すべては「ビジョン」から始まる

現在のALBA歯科グループは、医院数26医院、従業員数は354人と大きな組織に成長することができました。私がここまでやってこれたのは、「自分がどうなりたいか」を明確に決め、それを軸に行動してきたからだと、振り返りながら感じています。

将来のビジョンが決まれば、5年後、3年後、1年後、半年後…と逆算して何をすべきかが見えてきます。それを愚直にやり続ければ、夢は実現できると、私は信じています。

私には今、あと8年後までに100医院にするというコミットメントがあります。でも、100医院という数字は目的ではありません。常に仲間たちが「成長できる環境」をつくることが目的です。

医院という「場」を通じて、新しいポジションを作り、新しい景色を一緒に見たい、見せたい、体験したい。それが私の使命だと思っています。

おわりに:有言実行の力を信じて

熊木先生)私の座右の銘は「有言実行」です。

本当のことをいうと、口に出すことは怖い。なぜなら、できなかったら、失敗したら恥ずかしい。。

でも、言わなければ人は本気になれないのです。だから私は言葉にします。最初は笑われても、言い続けてきたことで、覚悟と行動が磨かれました。

人生は有限です。恐れている時間はありません。だからこそ、ビジョンを持って、それに向かって動き続けてほしい。

これは、過去の私が今の私に伝えたい言葉であり、この記事を読んでくれた、これから活躍する皆さんにお伝えしたい言葉です。

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